坂出第一高等学校 香川県 私立学校 食物科 ラグビー オープンスクール

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令和5年度二学期始業式式辞「失敗と挑戦のすすめ」

長い夏休み、皆さんはどのように過ごしたか。今年の夏はコロナも明けて4年ぶりに、のびのびといろんな事ができる夏だったと思う。

二学期は様々な行事があり、最も充実した学期となる。最も成長しなければならない学期である。3年生は、進学、就職で大忙しになるだろう。一生のうちで人生を決める大事な4カ月となるだろう。1、2年生も文化祭や修学旅行、運動部なら新人戦があるので、それに向けて、いろんな準備をしていかなければならない。

そういう中において、皆さんはいろんな経験をしていき、成功することもあるし、いろんな壁にぶつかり、挫折を経験するだろう。またいろんな失敗もするだろう。

人間誰しも、挫折や失敗はしたくない。しかし考えて下さい。挫折や失敗は皆さんにとって、最も偉大な先生になる。最も教えられることの多いものになる。挫折や失敗のない人生、挫折や失敗を経験したことのない人間なんかいないし、そんな人間、面白くない。私もこれまで本当に数えきれない失敗や挫折を味わってきた。

しかし、挫折や失敗を経験した人ほど、苦難を乗り越え、魅力のある人間となるだろう。誰しも最初から成功する方が良いと思うが、成功した時には喜びは大きいが学ぶものは少ない。逆に失敗からは学ぶものが多いものだ。

成功の反対は失敗、それは正しい。失敗の反対は成功かと言えば、私はそうでないと思う。失敗の反対は、「何もしない事」であると思う。失敗を恐れて、何もしない、何もしなければ、失敗は起こらない。しかし、それでは何も生まれないし、何も学ぶものがない。新たな事に挑戦をして、失敗を繰り返してください。

若い時には、出来るだけいろんな事に挑戦をして、挫折や失敗を経験してください。そうすれば、人間というものは、どんどん強くなるし、大きくなる。

ただ失敗した時に、自分を責めないで欲しい。反省はすべきだが、自分を責めることはない。気落ちしないで下さい。失敗した時は、成功に一歩近づいたと思って下さい。

とにかく、皆さんはいろんな事に勇気を持って、挑戦してください。挑戦して失敗、挑戦して失敗、それを繰り返し、最後に成功を掴んでください。いつかは成功するのです。失敗の先には必ず成功が待っているのです。

ただ、失敗した時に、次に挑戦する時はほんの少しだけ前とは違う事、工夫をしてください。同じ事をやれば、同じ失敗をするので、少しだけやり方を変えて、挑戦してください。それが成功を導く秘訣です。

以上、二学期の始業式にあたり、皆さんに「失敗と挑戦のすすめ」をお伝えした。二学期、勇気を持って挑戦し、充実した学期にしてください。

校長 三谷 雄治

人づくりは国づくり ラオスの小学校建設

ラオスという国をご存じでしょうか。東南アジアにある最貧国の一つです。私は30年前から、「人づくりは国づくり」をモットーに、ボランティアで、ラオスの子供たちの教育支援と、香川の青少年育成を行っています。

3年前に香川の高校生たちをラオスに連れていった時に、山奥の小学校のおんぼろな校舎を見て、高校生たちがつぶやいた「明るい教室で勉強させてあげたい。」という一言で、私が理事長を務めるNPO法人で小学校を建設することになりました。

しかし、その後、世界的に新型コロナがまん延し、現地訪問どころか募金活動さえままならぬ事態となり、計画は一時中断しましたが、昨年夏くらいからコロナの先が見えだしたので、募金活動を本格化させるとともに、学校建設を着工し、この度完成し、私も現地に行き子供たちと一緒に完成式を祝いました。(画像は、3月3日付「四国新聞」)

今、地域の活性化が叫ばれていますが、そのためには地域の将来を担う人材育成が今まで以上に重要となっています。できるだけ良い環境の中で、誰一人取り残すことなく、教育を受ける機会が提供されることが大事と思っています。坂出一高も、香川の地域づくりという点では、大きな役割を担っています。

この恵まれた日本ではなかなか分からないことですが、ラオスのように、貧しく必死で生きていこうとする国では、「人づくりは国づくり」ということが、よく分かります。

自衛隊からの感謝状

ウクライナ侵攻で世界に緊張感が走る中、4月22日、自衛隊の認知度向上に寄与したということで、自衛隊香川地方協力本部長 小田剛一等陸佐から、本校に感謝状と盾の贈呈がありました。本校から毎年、数名の自衛隊入隊者を輩出しています。

生徒会に期待‼

明日の令和4年度の始業式を前に、大勢の生徒会執行部の皆さんが、校長室にやってきました。

諏訪会長から、今年度は「自分と周りを輝かせよう」をテーマに、校則のより良い見直しと、学校行事の積極的な企画、運営を行いたい旨の取り組みの決意を表明してくれました。

このように生徒たちが自ら考え、行動してくれるようになったことは、数年前では考えられないことでした。理想とする坂出一高の学校運営に一歩近づき、幸先良い一年のスタートとなりました。

ありがとう

本校の白川紗弓先生が、音楽の授業の中でミニ・リサイタルをしてくれた。白川先生は昨年4月から本校で教えるとともに、日頃、ミュージックセラピー(音楽療法)活動も行っている。

今日は、生徒への1年間の出会いに感謝を込めて、ピアノ演奏と弾き語りを3曲披露してくれた。メッセージ性のある曲で、聴いていると誰の胸にもジーンと来るものがあり、生徒の中には涙を拭う者もいた。

今年の卒業式でも本校の校歌を編曲、ピアノ演奏していただき、卒業生には3年間で最後に聞く、素晴らしい思い出の校歌として心に残っただろう。

心から生徒の事を思い、向きあおうとする、こんな素晴らしい白川先生に出会えたことに、校長として、心より「感謝」です。

令和3年度卒業式

3月1日に卒業証書授与式を厳かな雰囲気のもと行いました。卒業生と保護者だけの式典でしたが、県内高校で最高レベルのICT設備を備えた本校では、自宅の1、2年生にその模様をオンラインで配信しました。その際の校長式辞を紹介いたします。

式   辞

本日、ここに坂出第一高等学校令和三年度卒業証書授与式を挙行いたしましたところ、多くの保護者のご臨席を賜り、門出に華を添えていただきましたことに、厚くお礼申し上げます。お子様の成長を見守ってこられた保護者の皆さまにおかれましては、本日の晴れやかなお子様の姿を前にして、感慨もひとしおのことと思います。

ただ今、卒業証書を授与いたしました皆さん、ご卒業おめでとうございます。三年前、皆さんは希望を胸にこの坂出第一高等学校に入学してこられ、努力を重ね、所定の学業を終えました。一人ひとりが三年間たゆまぬ努力を積み重ねてきた結果であることは言うまでもありません。心から祝福いたします。

さて、皆さんが学んだ三年間のうち二年間は新型コロナウイルスに翻弄されました。一年生の三月から二年進級後の四月、五月は自宅待機、やっと六月から学校が再開しましたが、学びを取り戻すために、前代未聞となりますが、夏休みがたった二週間余りしかなく、七月、八月の暑い中においても毎日六時間、七時間と授業を受け、それに皆さんは必死に耐えました。

また、本来二年生の秋に行くはずだった東京への修学旅行は、翌年二月の軽井沢のスキー旅行に変更になり、さあ行けると思っていた矢先、一月初めからのコロナの急拡大で中止、次に四月中旬に紀伊半島への旅行も計画しましたが、それも直前に中止となり、結局、昨年十月に姫路への一日バスツアーとなりました。本来、三年間の高校生活の思い出となる修学旅行が一日バスツアーとなるなど、皆さんは本当にコロナに翻弄された高校生活でした。

しかし、こんなこともありました。本校ではコロナから生徒の命・健康を守りながら、学びを止めるなということを合言葉に、県内の高校では最高レベルのICT教育設備をいち早く整備し、それを活用して、昨年の5月には一部クラスではオンライン授業を行い、9月初めに、コロナの為に公立高校が夏休みを延長せざるを得ない時に、本校は本格的にオンライン遠隔授業を行い、学びを止めませんでした。また五月にはコロナで鬱積した皆さんの気分を吹き飛ばすように、設備の整った青いタータントラックの屋島陸上競技場で思いっきり体育祭を楽しむことができ、さらにコロナが小康状態であった十一月には充実した文化祭も行うことができました。

また、先月にはコロナ第六波の中においても、ファッションデザイン科最後となるファッションショーを本格的に開催するとともに、食物科の卒業制作は、残念ながら保護者を招き、皆さんのコック服姿を見てもらうことができませんでしたが、皆さんが心を込めて作った豪華で美味しい料理を家庭に持ち帰り、保護者と共に食べていただきました。

コロナに翻弄された高校生活は、皆さんにとって一生記憶に残ることでしょう。また歴史にも残ることです。皆さんは歴史に残ることを自ら経験したことになるのです。単にコロナに翻弄されたというより、百年に一度あるかないかという歴史的な出来事を経験できたという前向きの姿勢でとらえるべきと思います。

そして、このコロナという難局を無事乗り切ってきた皆さんの今の姿こそが、何より素晴らしい成果であると思います。ぜひ大切な未来を見据えて、一人ひとりが前向きになり、自信を持ってこれから進んでいってください。

さて、皆さんは、明日からそれぞれ別々の道を進むことになります。それは皆さんに与えられた道です。自分だけでしか歩めない、かけがいのない道です。その道は広い時も、また狭い時もあり、平坦な時もありますが、上り、下りもあります。

皆さんが選んだ道が正しかったのかどうか、時には疑い深くなることもあるでしょう。他の人が選んだ道が羨ましく思え、立ち止まってしまうことがあるかもしれません。しかし立ち止まっても何も開けません。道を拓くためには、自らまず歩まねばなりません。皆さんにはその道しかないのです。自分だけに与えられた道なのです。ですからその道を休まず、一歩一歩、歩み続けて下さい。心を決めて、懸命に歩んで下さい。それが遠い道に思えても、休まず歩めば、必ず新たな展望が開かれます。

また歩んでいくときに、良い事も悪い事もあります。特に気をつけて欲しいのは、悪い事にあった時の態度が何よりも肝心です。どんな悪いことが起きようとも決して、天を恨まず、人を咎めず、自らを信じて心穏やかに道を歩んでください。悪い事も「天命」だと素直に受け入れ、自分が成長できるチャンスを与えてくれたと考えて歩み続けて下さい。そうすると自ずと視界が開けてくるものです。

それでは、卒業生の皆さん、いよいよ旅立ちの時がやってきました。今日から、坂出第一高等学校は皆さんの母校であり、心の故郷です。卒業後もこの学び舎や教職員に思いをはせ、母校の一層の発展を見守ってください。卒業生の皆さんに限りない惜別の気持ちを残しつつ、洋々たる前途を祝して、式辞といたします。

令和四年三月一日

坂出第一高等学校 校長 三谷 雄治

生徒の学びを止めない

今日は静かな校舎ですが、それぞれの教室から教員の声だけが聞こえてきます。

教室を覗いてみると、教員が教壇に立ち、いつもの調子で黒板に板書したり、プロジェクター画像を映しながら、授業を行っていました。しかし教室には生徒は誰もいませんでした。教員はパソコンに映る生徒の顔を確認しながら、授業を行っています。今日は全学年オンライン授業の日です。

この光景は昨年9月上旬にも見ることができました。その時と同じですが、コロナ感染リスク回避の為のオンライン授業です。前回は午前中授業で留めていましたが、今回は朝のホームルームから始まり、午後6時間目、7時間目まである本格的な授業を行っています。

コロナから生徒たちの命、健康を守るとともに、生徒たちの学びを止めてはならないという思いから、今回のオンライン授業となりました。

坂出一高は、県下でトップ級のICT教育、オンライン教育の設備整備を進めるとともに、そのノウハウを教員がしっかりと身に付け、即座に対応できる態勢になっていることを、今日確認できました。

これからも、坂出一高で学ぶ生徒のために、ICTを活用し、学びを止めない学校づくりをしてまいります。

二学期始業式の校長挨拶です

二学期が始まってこれまで、コロナ感染予防のために、オンライン授業を基本的に行ってきましたが、9月13日からは時差通学、短縮授業ですが、ほぼ通常授業を開始します。来週から学校もやっと活気づきます。9月1日の始業式の私の挨拶を紹介し、2学期の心構えを再度、生徒の皆さんに伝えたいと思います。

皆さんお早うございます。今日から2学期です。コロナ感染防止のために、各教室のプロジェクターを使い、画像も見えるオンライン始業式を行います。

コロナは非常に感染力の強いデルタ株になって、香川県も「コロナまん延防止等重点措置」地域に指定されています。今は、ワクチン接種割合が少ない若者ほど深刻な状況と言われています。従来のコロナと違うという認識を持ち、一人一人皆さんの慎重な行動を期待しています。皆さんのほんの少しの油断、小さな心の隙間をコロナは狙っています。

さて、現在、パラリンピックが開催されていますが、出場選手は全員、障害を持っているのに、それを全く感じさせませんね。どの選手も無茶苦茶明るい、前向きです。苦しくても自分のハンディキャップを乗り越え、世界一になろうという大きな目標に向かって努力してきた、凄い精神力を持っているのだと思いました。皆さんも何らかの障害を持っているものです。それが大きいか小さいかの問題です。皆さんはそれを乗り越えなければならない。パラリンピックの選手から学んで、皆さんの前に立ちはだかる様々な壁や障害を乗り越えてください。

二学期は一年間で最も長い学期、最も充実させなければならない学期です。3年生は就職試験の解禁が16日から、進学も入試が始まります。また2年生、1年生も学習面、部活など学校生活において非常に大事な学期です。皆さんにとって、言わば勝負の学期、充実した学期にしてください。

そこで、皆さんに、詩人坂村真民さんの詩を紹介したい。

つみかさね

一球一球のつみかさね 一打一打のつみかさね

一歩一歩のつみかさね 一坐一坐のつみかさね

一作一作のつみかさね 一念一念のつみかさね

つみかさねの上に 咲く花 つみかさねの果てに 熟する実

それは美しく尊く 真の光を放つ

根気よく諦めず一つ一つ積み重ねを続けていけば、いつかきっと大きな花を咲かすことができるという詩です。皆さんの2学期もこの詩のとおり、一つ一つの積み重ねにより、花を咲かせる学期にしてください。

コロナ対策をしっかりと行いながら、幸先の良い2学期のスタートを切ろうではありませんか。

コロナと坂出一高ICTについて

小生が3年前に坂出一高に入った時に驚きました。職員室に教員用のパソコンが数台しかなく、これでは仕事ができないと考えたのが、本校のICT(情報通信技術)整備の出発点でした。

翌春に教員全員にノート型パソコンを配布するとともに、教員間の情報共有のためのシステムを導入し、それまでは職員朝礼や印刷物で行事等の周知をしていたのを、全てパソコン上でできるようにしました。またICT教育の手始めに、特進コースの教室にプロジェクターを設置し、iPad40台購入し授業で使うことにしました。さらに学校と生徒、保護者との連絡や課題提出等のための情報共有システムを導入しました。

昨年は、春、コロナによる学校休校を余儀なくされましたが、かろうじて特進コースはiPadを使ったオンライン授業を行いました。また情報教室のデスクトップ型パソコン40台もWindows10に切り替え、学校内どこでもWiFiが使えるように、全館、無線LAN工事を行うとともに、iPad100台を追加購入しました。さらに教員の働き方改革を進めるために、大掛かりな校務支援システムも導入しました。

ICT整備3年目にあたる今年は、1年生には自前のiPadを用意していただくとともに、ICT教育を一気に進めるために、全教室にプロジェクターを設置しました。残るはデザイン類型の生徒が使うCG(コンピューター・グラフィックス)制作の専用パソコン20台を、今月中に整備するだけです。ちなみに職員会議等はペーパーレスで行い、紙資源の節約をしています。

現在、「コロナまん延防止等重点地域」ということで、県内のほとんどの高校が夏休みを延長し授業を行っていませんが、坂出一高では、ICT整備のお陰で、「コロナに負けるな」ということで、オンライン授業で対応しています。

ICTを使って、生徒のために楽しく分かりやすい授業を提供しようとしたのが導入のきっかけでしたが、コロナという思わぬ伏兵により、生徒に教育を受ける権利を保障するツールにもなったのは、大きな副産物でした。

いずれにしても、短期間でここまでできたのは、生徒や保護者の皆様、教員が、ICT整備や活用、さらには学校改革について、ご理解、ご協力をいただいた賜物と、心から感謝しています。

オンライン・海外スタディツアー

昨今のコロナのために、海外に思うように行くことができない。しかしネットを使えば、海外に行かなくても同じ体験ができる。

カナダ・バンクーバーの大学生と、それぞれの文化や習慣、考え方を語り、互いに理解しあい、なおかつ英語力も高まるという、一挙両得のオンライン・海外スタディツアーに、本校の生徒3名が先日参加した。

4日間にわたる交流プログラムはハードなようにも思えるが、毎日、テーマが変わり、楽しい交流となった。カナダ人大学生のアグレッシブさと、日本人高校生のシャイさも 時折感じられたが、お互い若者同士という共通点で、満足のいく交流ができたのではないか。

本来海外に行くには、高い旅費と日数が掛かるが、オンラインツアーならば、パソコン画面の向こうに、間近に相手の笑顔が見られ、同じ時間を共有でき、本当にワクワクできる体験であった。

昨今、コロナで自分の周りのことしか考えないのが一般的だが、本校の生徒はコロナを乗り越え、目を遠く海外に向け、大きく飛躍しようとしているたくましい姿に、大いに勇気づけられた。坂出一高生、ガンバレ!!