坂出第一高等学校 香川県 私立学校 食物科 ラグビー オープンスクール

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令和3年度卒業式

2022/03/04

3月1日に卒業証書授与式を厳かな雰囲気のもと行いました。卒業生と保護者だけの式典でしたが、県内高校で最高レベルのICT設備を備えた本校では、自宅の1、2年生にその模様をオンラインで配信しました。その際の校長式辞を紹介いたします。

式   辞

本日、ここに坂出第一高等学校令和三年度卒業証書授与式を挙行いたしましたところ、多くの保護者のご臨席を賜り、門出に華を添えていただきましたことに、厚くお礼申し上げます。お子様の成長を見守ってこられた保護者の皆さまにおかれましては、本日の晴れやかなお子様の姿を前にして、感慨もひとしおのことと思います。

ただ今、卒業証書を授与いたしました皆さん、ご卒業おめでとうございます。三年前、皆さんは希望を胸にこの坂出第一高等学校に入学してこられ、努力を重ね、所定の学業を終えました。一人ひとりが三年間たゆまぬ努力を積み重ねてきた結果であることは言うまでもありません。心から祝福いたします。

さて、皆さんが学んだ三年間のうち二年間は新型コロナウイルスに翻弄されました。一年生の三月から二年進級後の四月、五月は自宅待機、やっと六月から学校が再開しましたが、学びを取り戻すために、前代未聞となりますが、夏休みがたった二週間余りしかなく、七月、八月の暑い中においても毎日六時間、七時間と授業を受け、それに皆さんは必死に耐えました。

また、本来二年生の秋に行くはずだった東京への修学旅行は、翌年二月の軽井沢のスキー旅行に変更になり、さあ行けると思っていた矢先、一月初めからのコロナの急拡大で中止、次に四月中旬に紀伊半島への旅行も計画しましたが、それも直前に中止となり、結局、昨年十月に姫路への一日バスツアーとなりました。本来、三年間の高校生活の思い出となる修学旅行が一日バスツアーとなるなど、皆さんは本当にコロナに翻弄された高校生活でした。

しかし、こんなこともありました。本校ではコロナから生徒の命・健康を守りながら、学びを止めるなということを合言葉に、県内の高校では最高レベルのICT教育設備をいち早く整備し、それを活用して、昨年の5月には一部クラスではオンライン授業を行い、9月初めに、コロナの為に公立高校が夏休みを延長せざるを得ない時に、本校は本格的にオンライン遠隔授業を行い、学びを止めませんでした。また五月にはコロナで鬱積した皆さんの気分を吹き飛ばすように、設備の整った青いタータントラックの屋島陸上競技場で思いっきり体育祭を楽しむことができ、さらにコロナが小康状態であった十一月には充実した文化祭も行うことができました。

また、先月にはコロナ第六波の中においても、ファッションデザイン科最後となるファッションショーを本格的に開催するとともに、食物科の卒業制作は、残念ながら保護者を招き、皆さんのコック服姿を見てもらうことができませんでしたが、皆さんが心を込めて作った豪華で美味しい料理を家庭に持ち帰り、保護者と共に食べていただきました。

コロナに翻弄された高校生活は、皆さんにとって一生記憶に残ることでしょう。また歴史にも残ることです。皆さんは歴史に残ることを自ら経験したことになるのです。単にコロナに翻弄されたというより、百年に一度あるかないかという歴史的な出来事を経験できたという前向きの姿勢でとらえるべきと思います。

そして、このコロナという難局を無事乗り切ってきた皆さんの今の姿こそが、何より素晴らしい成果であると思います。ぜひ大切な未来を見据えて、一人ひとりが前向きになり、自信を持ってこれから進んでいってください。

さて、皆さんは、明日からそれぞれ別々の道を進むことになります。それは皆さんに与えられた道です。自分だけでしか歩めない、かけがいのない道です。その道は広い時も、また狭い時もあり、平坦な時もありますが、上り、下りもあります。

皆さんが選んだ道が正しかったのかどうか、時には疑い深くなることもあるでしょう。他の人が選んだ道が羨ましく思え、立ち止まってしまうことがあるかもしれません。しかし立ち止まっても何も開けません。道を拓くためには、自らまず歩まねばなりません。皆さんにはその道しかないのです。自分だけに与えられた道なのです。ですからその道を休まず、一歩一歩、歩み続けて下さい。心を決めて、懸命に歩んで下さい。それが遠い道に思えても、休まず歩めば、必ず新たな展望が開かれます。

また歩んでいくときに、良い事も悪い事もあります。特に気をつけて欲しいのは、悪い事にあった時の態度が何よりも肝心です。どんな悪いことが起きようとも決して、天を恨まず、人を咎めず、自らを信じて心穏やかに道を歩んでください。悪い事も「天命」だと素直に受け入れ、自分が成長できるチャンスを与えてくれたと考えて歩み続けて下さい。そうすると自ずと視界が開けてくるものです。

それでは、卒業生の皆さん、いよいよ旅立ちの時がやってきました。今日から、坂出第一高等学校は皆さんの母校であり、心の故郷です。卒業後もこの学び舎や教職員に思いをはせ、母校の一層の発展を見守ってください。卒業生の皆さんに限りない惜別の気持ちを残しつつ、洋々たる前途を祝して、式辞といたします。

令和四年三月一日

坂出第一高等学校 校長 三谷 雄治