自分自身を誇れる調理師に
<Profile>香川第一中学校出身 高校卒業後は高松パレス株式会社(チェルシー)へ就職。令和2年よりエリエールフーズ株式会社へ入社。現在はセクションマネージャーとして、西条市1店舗、四国中央市1店舗の愛媛エリア2店舗と、高松市2店舗の香川エリア2店舗の合計4店舗の管理を行っている。
調理師を目指したきっかけ
幼いころから水産業に携わる父の背中を見て育ち、母の助言もあり憧れの父を目指し調理師になるため坂出第一高等学校に入学しました。高校入学後は0からのスタートを切り、右も左もわからない状態から3年間で様々な知識・技術を学びました。1年目は胡瓜の切込み・2年目は弁当制作・3年目はコース料理制作、調理検定に1度で合格できるように日々勉強と努力をしていました。僕の恩師は大西先生であり、初めて包丁の握り方を教わったのを今でも強く覚えています。いつも優しく、時には厳しく。基礎的な技術はもちろん、衛生面の観点に関しては人の命に直結するものなので、何よりも丁寧にご指導していただけました。衛生面の知識は今でも調理現場で基礎として従業員教育に役を立てているので後世に次ぎ続ける一番大事な知識だと思っています。
実際に見たプロの世界
高校卒業後はTHE CHELSEA(高松パレス株式会社)に就職しフランス料理を軸として、プロの第一歩を踏み出し修業に励みました。婚礼業界の料理は本当に一流なものばかりで、今まで考えついたことが無いような「芸術的な視点・料理へ込められた思い・一皿へのこだわり」を先輩方から厳しくご教授していただきました。現場に入り自分自身の実力不足を実感しながら一つでも多くの仕事を任せて貰えるように努力を続けました。婚礼業界のコース料理は一生に一度あるか無いかの結婚式、晴れの舞台でもありその中で組み込まれる大事な食事を提供する本当に重要な役割です。先輩方一人一人が強いこだわりとプロ意識を持っているので、時には先輩に「帰れ、邪魔や。」と罵倒され、失敗をして「お前程度の人間に教えられる仕事なんぞないわ。」と言われたこともありましたが、それでも厳しく仕事を教えてくださった先輩方がいたからこそ今があると思います。退職後も一日たりとも忘れずに当時の先輩方に感謝をしています。また坂出一高でお世話になった食物科の大西先生の結婚式にも携われたことも大きなやりがいや喜びになりました。厳しい現場だからこそ特別な喜びも倍以上に感じれるものだと思います。
新しい分野への挑戦
4年間の修業後にTHE CHELSEAを退職し、エリエールフーズ株式会社に入社しました。まずは、店舗のマネージャーを目指し今までに触れたことのなかったビジネスの分野について勉強するきっかけとなりました。「仕入れ・経費管理・雇用・教育」すべてを経験できるマネージャー業務は、自分自身の甘かった価値観を大きく良い方向に変えてくれました。その後、努力を続け入社約1年後エリエール高松空港店のマネージャーになりその1年半後にセクションマネージャーとして現在は割り当てられた複数店舗の予実管理などをしています。婚礼業界の修業から学んだメニュー開発や専門知識を役に立て新しい挑戦や取り組みを全く否定せずに実行させていただける社長・上司がいたのでここまで広い分野で仕事ができるようになったと思います。現状の環境で働かせていただける会社への敬意と直属の上司への感謝を常に忘れないようにしています。
食物科の生徒たちへ
学校生活では楽しく実践的な料理の勉強をしていくのに対し、実際の現場に立つと楽しく学ぶのではなく「できることが前提」になり必ず努力が必要になります。その中で自分の技術不足や知識不足に嫌気がさすことが必ずあると思います。今できる精一杯の努力をして学生時代から自分自身にある程度の自信をつけ「調理師」として一人一人の個性や技術を思い切り発揮してもらいたいと強く願っています。下積みはとにかく、努力と忍耐の日々です。下積みを超えた後、自分自身を誇れる一人の調理師としての新たなキャリアが始まると思うので今現在もこれからも、お互い頑張り社会貢献をしていきましょう。