坂出第一高等学校 香川県 私立学校 食物科 ラグビー オープンスクール

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2025/11/20

辻調理師専門学校 須加 未来(令和2年度卒業)NO.22

辻調理師専門学校 須加 未来(令和2年度卒業)NO.22

『食でつなぐ、私の世界』ひとつのケーキから始まる、学びと成長の軌跡

<Profile>一宮中学校出身。卒業後、辻調理師専門学校へ進学。専門学校卒業後、辻調理師専門学校に入職。製菓の洋菓子職員として勤務。現在は、主に実習や講習の助手を担当している。また、ミシュランガイド発表セレモニー(2024)にて2年連続洋菓子作成を務めた。

【公式】辻調理師専門学校‐調理と製菓を学ぶ専門学校[大阪・東京]

幸せを作る人になりたくて ~ケーキに込めた私の夢~
幼いころから、お祝いごとには家族みんなで机を囲んでケーキを食べることが特別な時間でした。ケーキを買いにお店に向かい、ワクワクしながらショーケースの中をのぞくと色鮮やかに並んだケーキを見たときの心躍る高揚感は誰しも経験することじゃないでしょうか。お菓子は人を幸せにする魔法のような力があると感じます。小学生のころに偶然テレビでスイーツ甲子園を見て、高校生が切磋琢磨してケーキを作っている姿をみて「すごい!かっこいい!」と憧れを持った気持ちは今でも覚えています。「次は私が作って、みんなを幸せにしたい!」と思いスイーツ甲子園に出場していた高校、加えて卒業と同時に調理師免許が取得できる坂出第一高等学校食物科の存在を知りました。私はお菓子だけでなく多方面で学ぶには「ここしかない!」とすぐに感じ、坂出第一高等学校への進学を決断しました。
『受験校は坂出第一高校のこの食物科だけ!もし受からなければ終わり。。。』というくらいの覚悟を持ち、自分を鼓舞して私なりにも挑戦していました(笑)

挫折の先にあった光 ~仲間と先生に育てられた私~
美味しそうな出汁やブイヨンの香り______その環境に身を置くことは、私にとって憧れの世界でした。期待を胸に入学し、この3年間を充実させると決めました。実習には一生懸命励み、毎日放課後にも製菓部で練習を重ね、クラスの中心となるリーダーになることを目標に日々を過ごしました。
初めのうちは「皆、同じスタートラインだ。料理の勉強も声出しも頑張っていて、何となくクラスを引っ張れている」と実感していました。しかし、順風満帆な日々は長く続かず、ある時期より周囲の上達が著しく、私自身がおいて行かれていると感じることがありました。自分自身でもどうすれば良いか分からず、クラスをまとめることも難しくなっていました。
そんな中でも、先生方は私を決して見捨てることなく、根気強く引き上げてくれました。オープンスクールで、師範としてアジの三枚おろしの指導や、イベントでのリーダーとしての役割など、たくさんのチャンスと挑戦する機会を与えていただきました。「私も、負けていられない。逃げてはいけない」_______いつしかそのような思いになり、やり切ることができました。

出会った恩師に憧れて
入学当初は高校卒業後「就職する」という約束で入学しました。調理業界ではすぐに現場に入って、働きながら叩き上げで技術や知識を高めていくことが通常かと思いますが、辻調理師専門学校での勤務経験を持つ池田先生の勧めで、同校のオープンキャンパスに参加することにしました。辻調理師専門学校の職員の多さや調理器具・施設の充実ぶり、そしてフランスにも学校があるなど、そのスケールの大きさに魅力を感じました。そして池田先生のように「次世代の子どもたちの夢を叶えられる人になりたい」と思うようになりました。またフランスで学べるかもしれないという希望も進学への後押しになりました。一方で金銭面で親に負担をかけてしまうことへの葛藤もありました。それでも「小さい頃からの夢なら、好きな道を進んでほしいと」背中を押してくれた両親には、今も感謝の気持ちでいっぱいです。
教える立場となり、学生たちの成長や喜びを間近で感じることが、私にとっての大きな幸せです。そのとき、夢を追い続ける道を選んで本当によかったと心からそう思います。

学び続ける楽しさを知った専門学校時代
専門学校には1年間通いました。高校で学んだことあって気持ち的に余裕をもって実習に打ち込むことができました。より深い知識を身につけるためにさらに予習・復習に努めました。自ら声をかけ合い、タイムスケジュールを作成するなど、高校で培った経験を活かすことができたと感じています。しかし高校と同様に技術面で苦戦する日々もありました。それでも、先生の多い辻調理師専門学校では、どの先生に質問してもすぐに的確な答えが返ってきて、苦手な部分を一瞬で見抜き、丁寧に指導してくださる恵まれた環境でした。辻調の先生たちは全員が同校の卒業生でもあり、学生時代の経験談や、フランス・ドイツ・オーストリアでの研修の話などを聞くたびに、毎日が新しい世界に触れているような刺激的な日々でした。また、コンクールでは洋菓子ではなく和菓子にも挑戦し、和菓子部門で1年生コース在籍者として表彰をいただいたり、地元香川県の進学イベントでは、同じ夢を持つ高校生たちに向けて話をしたりと貴重な経験を積むことができました。

挑戦の先にある目標
私は来年行われる一大行事の助手に選出されました。
現在の目標は「助手以上の仕事をやり切って終えること」です。普段の業務に加えての挑戦なので大変な面もありますが、坂出第一高等学校で培った精神力と忍耐力で、不安より楽しみの方が大きいです。チャンスを掴んだ以上、この経験を「人生の財産」として胸を張って残せるよう、全力で取り組みます。そして、いつかは辻調理師専門学校のフランス校で働くという夢を叶えたいと考えています。小学生の頃から憧れてきた本場で学び、吸収し、それを学生に還元する___。食の道で学び続けることが、私の人生最大の目標です。何にでも挑戦する気持ちを持てるようになったのは、この坂出第一高校での3年間があったからこそです。

後輩へのメッセージ
きっとこれから、「思うようにいかない」「挫折した」と感じる瞬間があると思います。自分の思い描いた通りにいかず、力尽きそうになることもあるでしょう。
___そんな時、諦めてしまいますか?
私の経験上、ひとつだけ皆さんに伝えたいことがあります。それは『自分で作った試練から逃げずに、喰らいついてみてください。きっと扉が開きます。』料理でもお菓子でも、何かを始めるとき、全てがうまくいくことはありません。逆にうまくいかないことのほうが多いくらいです。でも、うまくいかない時こそ「成長のチャンス」であり、新しい扉を開くための過程だと捉えてください。それは自分自身が作り出した試練であり、今の自分を超えるために必要な壁でもあるからです。逃げたくなる時もあります。でも、少し客観的な視点で物事を見て、周りに頼り、自分を信じて、時間をかけてでも喰らいついてみてください。結果はすぐに出なくても、1か月後、1年後、数年後にきっと見えてくるものがあります。今まで生きてきた23年間、全てを乗り越えられたわけではありませんが、逃げずに挑んだことが今の自分に繋がっています。新しい仕事を任せてもらえる機会も増えた今年は、まさに転機の年です。この先にも、また長い道のりが待っていますが、気長に一緒に頑張っていきましょう!
時にはしっかり息抜きもしてくださいね。
自分自身が壊れてしまっては、元も子もありませんから。
この場で皆さんと出会えたことを、心から嬉しく思います。