興味や関心などの潜在意識の中に自分の将来がすでに描かれていた
<Profile>香東中学校出身 高校卒業後は株式会社 築地寿司清に入社。
現在、名古屋ミッドランドスクエア店にて勤務。
偶然⁉必然⁉絶妙なタイミングで。。。
食物科を選んだきっかけは、中学校で行われた高校説明会で坂一のパンフレットを見たことです。正直、勉強ができた方では無かったですし、進路を決めきれずにズルズルと時間だけが過ぎていた状態でした。自分が入れる高校ならどこでもいいと半分諦めもあったように思います。ちょうど進路決定が迫る高校説明会のころに、家で食事を作ることにハマって、料理を作ることに対して興味関心が増していた時でもありました。パンフレットの食物科の写真を見て「ここに入りたい!」と直感で感じました。さらに説明を聞いて、卒業と同時に調理師免許も取得できるという事も大きな後押しポイントとなりました。家族に相談した時も、自分のやりたいことを理解してくれたことは感謝しています。唯一不安だったことは入試(学力)でした。(笑) 入学したい高校が見つかってからは必至で勉強をしました。後にも先にもこの時が一番学業に対して必死で努力したかもしれません。(笑) 合格通知書を確認した時の喜びは今でも記憶にあります。入学までも不安な気持ちよりも期待感が大きく、調理実習が始まるまでにお箸の持ち方を直しました。
料理研究部で過ごした充実の三年間
高校生活を語るうえで、一番記憶に残っていることはやはり部活動です。他の部活動には目もくれず料理研究部を選びました。きっかけは部活動紹介での先輩たちの圧巻の船盛パフォーマンスでした。先輩とはいえ、同じ高校生でこんな早く綺麗な船盛が作れると圧倒されました。いざ入部すると、毎月のイベントなど目まぐるしい毎日で先輩から言われたことをこなすだけでした。「こんなにイベントをこなしていて、いつ実技練習をしてるのか?」なんて疑問を持つくらい忙しく充実した毎日でした。実技が向上するにつれ、徐々に重要な役割を任せられるようになり、『自信』と『責任感』を学ぶことが出来たと思います。努力すれば自然と良い仕事をもらえるのは、現場で働く今でも同じです。厳しい部活でしたが、そのお陰で頑張れる今があると思います。また部活動だけに限らず、授業では調理器具や包丁などの形の意味合いを教えてくれたのも大きかったです。特に和包丁の魅力にはハマりました。元々ブーツや物に愛着やこだわりを持つ性格だったこともあって、当時同じように包丁にハマった友人と切れ味を競ったり、砥石を買ったりしました。今思えば進路などを改めて意識したことはありませんでしたが、無意識のうちに料理や和食の世界に導かれていたような気がします。
悩みを相談できる存在がある
あっという間の三年間を過ごし、就職活動が始まりました。当初は寿司屋に就職する選択肢はありませんでした。料理研究部で過ごしたおかげで、日本料理への道に進むことは漠然と覚悟はしていましたが、いざ就職先を探すと多くの選択肢に迷いました。そんな時に部活動顧問の大西先生から「寿司とか行っても面白いんじゃない?」と言われた時に一気に自分の扉が開いた気がしました。もともと料理の中でも魚を捌くことを得意としていたことや、シンプルですが一つのことを極めるような寿司のスタイルに大きな魅力を感じました。相談できる顧問の存在は有難かったです。また部活動を共に過ごした同級生も、改めて進路を相談することはありませんでしたが、「あいつに負けたくない」「あいつがあそこに行くなら」という心強い存在でした。また一流の世界へ一足早く入っていった過去の先輩も「あの先輩があそこでいる」っという遠い世界をとても近くにしてくれた存在でした。食物科の魅力は調理技術や調理施設だけではなく、関わる人の存在が身近にある事だと思います。
最終目標は自分の店をもつこと
入社して、三年間は見習いで仕込みや料理、またホールでの接客がメインで会社の板前の試験に合格するとまず初級、それから中級<上級<副長<副店長<店長というように階級が年齢と実力に伴って上がっていくシステムです。形として明確に区分けされていますが、そのスタイルは料理研究部の頃と変わりません。現在は上級板前としてカウンターに立ち、お客様にお寿司を握らせていただき、日々精進しています。今後の目標は、いつか自分の店を持つことです。これは学生時代にアルバイトをしていたときにお世話になっていた方との約束でもあります。そのために今の自分に足りない部分をしっかりと理解して少しづつ勉強していきたいと思っています。
後輩の皆さんへ 今から出来ることを3つ教えます!
食物科での三年間はすごくあっという間で初めての職場では不安もいっぱいだと思います。僕からは自分自身が社会人になって大事だと感じて、皆さんがそれに向けて今から出来ることを3つ教えます!
1つ目は相手の目を見て挨拶する
これができない人は周りから評価が下がるので注意です!
2つ目は分からないことをそのままにしないこと
例えば、調理実習やアルバイトなどで説明を覚えきれずに見様見まねで何てこともあると思います。
ですが後からでもいいのでしっかり確認をしましょう!いざ自分に任せてもらった時に大体失敗します!
3つ目は上手な人の仕事を真似する
自分のやり方にこだわる時も大事ですが、上手くいかない時は上手な人の段取りの仕方であったり、
ちょっとした手順の違いや動き方をよく見て真似するとよくなったりします。
どれも調理実習で大西先生から言われたことがありませんか?私も記憶にあります。その当時は当たり前すぎて改めて意識して聞いていなかったことですが、社会人になり、後輩ができ、人や仕事と向き合う上でとても大切なことだったと改めて感じたことです。
『食』の仕事は、人に喜んでもらえるとてもやりがいのある仕事です。皆さんも是非その素晴らしい場で活躍されることを願っております。